読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひろく、あまねく

学んだこと、考えたこと、経験したこと、おもしろい、楽しい、美しいと思ったこと、素敵だと感じたこと…そんなことを「ひろく、あまねく」共有していく場

とあるまち part4(水上集落編)

ボルネオ島マレーシア領コタキナバルはヨーロッパの旅行客から人気のリゾート地である。タイのパタヤプーケットインドネシアバリ島など様々な人気の場所があるが、それらの有名どころと比べると、穴場ということになるだろう。日本人でも定年を迎えた夫婦やアーリーリタイアした人のロングステイ先としても人気だそうだ。居心地のよさにそのまま移住してくる人もいるという。
 
日本は第二次大戦中、コタキナバルを占領した経緯がある。そのためか、コタキナバルにはこんな噂があるのだ。
 
「夜、道端で横たわる日本兵を見た」
 
「日本兵の幽霊が街中を彷徨っている」
 
などなど。地元の学生はおもしろそうに語っていたが、日本人の立場からすると少し複雑な気持ちだ。
 
さて、ボルネオ島でのボランティアというと、どちらかといえば環境面での活動を想像する人も多いと思う。森林伐採保全活動とか、貴重な動植物の生育環境を守るなど。実際そういった活動をされている団体もあるのだが、私たちの団体は少し変わった活動を行っている。
 
私たちはフィリピン人移民のまちを対象に活動を行っていた。仕事を求めてきた人もいれば、少しでもよい経済環境に惹かれてきた人もいる。中には政治的な問題によって、こちらにきた人もいる。
 
そして、彼らはバジャウ族と言われる民族であった。海の漂流民、海のジプシーと言われることもある。最近テレビでも海の中を歩く民、みたいな感じで取り上げられることも増えてきている。
 
フィリピン人移民というだけでも今までに一度も接点がなかったような存在なのに…バジャウだと…と私の頭は期待と不安でごちゃごちゃになっていた。
 
そして、初めての訪問日がやってきた。その出会いがこれから続く足掛け2年間の第一歩になること、人生に大きな影響を与える出会いになることを、その時の私はまだ知る由もなかった。
 
つづく。
 

今週のお題「好きな街」