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ひろく、あまねく

学んだこと、考えたこと、経験したこと、おもしろい、楽しい、美しいと思ったこと、素敵だと感じたこと…そんなことを「ひろく、あまねく」共有していく場

とあるまち part5(水上集落編)

入り江に作られた水上集落を丘の上から眺めていた。燦燦と太陽が照りつけている。生ゴミの臭いと湿気が入り混じった不快な空気に思わずむせ返りそうになる。
 
子供達が集まってくる。アジノモト!とかナルト!とかアリガトウ!とか叫ぶ子供もいれば、カメラを物珍しそうに触ってくる子もいる。シャイな子供は遠くからこちらの様子を見ている。大人たちもいる。親しげに挨拶をしてくれる人もいれば、中指を立てて通り過ぎていく人もいる。
 
まちの入り口には韓国系のNPOが作った教育施設がある。そこには大きな木がそびえ立っているのだが、その木の上にはビニール袋を口に当てて、恍惚な表情を浮かべているも少年がいた。目のピントはあっておらず、遠くを眺めている。急に大きな声を上げたかと思うと、大人しくなる。彼の歯はボロボロだ。周りの子供が、彼を指差した後、自分の頭に手をやり、ニヤニヤしたながら指をくるくる回した。
 
「こいつは頭のやベーやつなんだ」
 
そんな風に言っているのだろう。あとから知ったことだが、一部の子供達の間ではタバコもだが、シンナーが流行っている。まちの中にあるパキスタン系の商人が靴に使う接着剤を売っているのだが、それをシンナー代わりに使っているのであった。
 
そんな風景を受け入れつつも、少しずつまちの中へと歩みを進めた。
 
つづく。
 
今週のお題「好きな街」