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ひろく、あまねく

学んだこと、考えたこと、経験したこと、おもしろい、楽しい、美しいと思ったこと、素敵だと感じたこと…そんなことを「ひろく、あまねく」共有していく場

とあるまち part6(水上集落編)

この水上集落は1000人を超えるフィリピン人移民が住んでいると言われていた。マレーシア政府ですらもその正確な人数は把握できていないという。私たちの団体が実施したフィールドワークにて調査では、人口は4000人、合法移民と不法移民に分かれており、合法移民の中には政府の選挙キャンペーンの一環として、市民権を付与された人々もいる。集落は拡大を続け、奥に行けば行くほど家の造りも粗雑になっていく。

 
電気は盗電によって賄われており、ゴミ収集や教育などの行政サービスは行き届いていない。この集落の人々は近くの大型ショッピングモールでの清掃員や、魚の売買、その他移民ブローカーに斡旋された仕事などについている。
 
この集落の存在を政府は黙認している。しかし、我々のような外国人には知られたくないようで、活動にも厳しい目が光らされていた。
 
さて、そんな集落で私たちは活動を行っていた。ボランティアといっても誰かが企画してくれたツアーに乗っかって、決められたことをやるだけのものではない。仮説を立て、分析を行い、問題を自らで設定し、解決策を自分たちで考えて、現地のカウンターパートを巻き込んで、実行に移していく。そういった活動を行っていた。
 
活動の話はまた別の機会で話すことにしよう。
 
集落は活気に満ちていた。そして、子供の元気な姿が印象的だった。海の上に木で作られた集落はこれまで経験したことのないまちだった。
 
道は木の板でできている。一歩踏み外せば海へと落ちる。ボロボロになっていたり、隙間が大きいところがあったりと、かなりスリリングだ。危なそうなところは子供が教えてくれる。子供達は何も言わなくても、自然に集まってきて、自然に一緒に散歩することになる。先導する子、おんぶをねだる子、あとからこそこそとついてくる子、などなどいろんなタイプの子がいる。
 
家は基本的には一階建てで、きっちりとした玄関のようなものはない。広さはまちまちだが、だいたい30平米くらいか。家の中は、いかにも貧困といった雰囲気ではなく、むしろかなり清潔感あふれる空間に思えた。どこで買ってきたのか、超巨大なスピーカーが置いてある家も多く、爆音で音楽を流している家や、昼間っからカラオケをやっている家もあった。
 
水洗トイレなんてものはないので、そのまま海へGO、である。それが水質汚染の原因の一つとなっていた。多くの家はちょっとした商店のようなものを開いていた。駄菓子屋みたいなイメージである。
 
つづく。